Vol.64 男がアナタに幻滅する瞬間(とき)
付き合って5年。私はもう28歳、彼はもう31歳。なのに、一度だって結婚の話が出てきたためしがない。
ずっとずっと私は、好きな人と結婚することにあこがれていた。純白のウェディングドレスに身を包み、ヴァージンロードを歩く。歩いた先には、大好きな彼が手を差し出して待ってくれている。
しかし、そんな夢もいつになったら叶うのか・・。すきだけど、結婚してくれそうもないなら・・別れる?ううん、昔ならそれが出来たかもしれない。でももう、新しい人を探して1から恋愛をスタートさせる元気は私には残っていなかった。
私が、意を決して彼に結婚のことを切り出そうとしたとき
「あのさ・・ちょっと話があるんだ」
「え?」
も・・もしかして「そろそろ結婚でも・・」なんて言うつもりじゃ・・。私の気持ちを知って、結婚に対して前向きに考えてくれていたのね。なんて思っていた私の気持ちは次の瞬間、打ち砕かれた。
「俺、仕事やめようかと思って」
「・・・・はっ?何言ってんの?!」
彼は、うつむいたまま黙った。
何言ってるの?!今、アナタが仕事やめたら結婚どころじゃないじゃない!!なに?!これは結婚できませんって遠まわしに言ってるわけ?
信じられなかった。私は、彼と結婚できると信じて付き合ってきたのに。
「どうしたの?そんな大きな会社やめちゃうなんて!」
「・・・・」
少し間をおいた後、彼が重い口を開いた。
「実は俺、ずっとやりたいことがあったんだよ。」
「やりたいことって?」
「服のデザイナー」
「え?!」
彼はずっと、デザイナーを夢見ていたが、いろんな事情で今の会社に就職した。でも、30を過ぎた今、彼なりに考えた結果らしい。
「一度しかない人生、やりたい夢に向かってみたいんだ」
「そんな・・」
ずるい・・ずるすぎるよ。私はどうなるの?私の夢は??
「30歳過ぎたんだから、私の将来のことも考えてくれたっていいんじゃない?」
「・・ああ、だから今こうやって話をしたんだよ」
「私は、今の会社のほうが合ってると思うよ」
「・・・」
「デザイナーって柄じゃないじゃない」
「・・・」
「あなたのために言ってるのよ?今から苦労する必要ないと思う」
彼は黙ったまま・・だった。
そして数日後、私は彼から別れを切り出された。
私は、彼のためではなく私のためにしか、言葉を伝えていなかった。・・その結果、好きな人とも結婚できず、一人になった。
ようこそ!恋愛病院『ラブホスピタル』へ!片瀬です。いま、ずっとずっと悩んでいるんです。
娘を保育園に預けようかどうしようか・・。娘も早、6ヶ月。今まではネンネをしているだけだったので良かったのですが、そろそろ目も離せない時期にはいります。抱っこにおんぶで仕事をしても、彼女にとってプラスにはならない。でも、寂しい・・。葛藤の中、今保育園を模索中です。
さて、アナタは愛する人の【夢】を聞いたことがありますか?そして、愛する人に【夢】の話をしたことがありますか?
「もっと現実をみなさい」と言われそうな夢に関しては、人に話しづらかったりしますよね。
若い頃なら「宇宙飛行士になりたい」と言っても「アイドルになりたい」と言っても、みんなは手をたたいて応援してくれます。でも、ある程度の年齢になると「何夢見ちゃってんの?」「もう若くないんだから」と言われ、人は昔から抱いていた夢をあきらめることがあります。
もちろん、夢を追い続けることだけが良いことかと言われるとそうではありませんよね。
でももし、愛するあの人が、自分の心にしまっていた夢の話をしてくれたのならばアナタはなんと答えますか?
もしかしたら、ストーリーのように結婚をして欲しい気持ちがある分、今から新しいことをして、結婚が延びるかもしれないと不安になることもあります。もちろん、女性なら好きな人と結婚することを夢見るコトだってあります。
だからと言って、言い方を間違えると、彼はあなたに幻滅してしまい別れにいたるコトだって、少なくないんです。
次回は愛される一言をご紹介します。
作者: 麒麟・田村裕
出版社/メーカー: ワニブックス
価格: ¥ 1,365 (税込)
麒麟のコンビは以前から好きで、しかも田村さんは貧乏話をみごとに笑いに変えていました。いつか本になるんじゃないかなって思っていたら、本当になってしまった(笑)。読んでみると、これが引き込まれる文章で一気に読めました。
つらいと思われるような出来事にも、まっすぐ向き合って今に至る田村さんの生き方、見習わなくちゃいけない部分がありました。
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